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予防

ネコちゃんの予防ってどうするの? その3(マイクロチップ)

マイクロチップについて。

マイクロチップについては、ほかのHPやブログで詳しく説明されています。

環境省https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/pickup/chip.html

日本獣医師会パンフレットhttp://nichiju.lin.gr.jp/aigo/pdf/microchip_leaf_2019.pdf

このコラムでは、当院の考え方をご説明します。

迷子になったときの個体識別という面はありますが、私はマイクロチップは保険であり、大きな災害への備えだと考えています。

マイクロチップにはGPSが内蔵されていないので、追跡機能や逃走防止機能はありません。
また、知らない人に捕まる猫は少ないため、外にいる猫のマイクロチップの確認もままなりません。
マイクロップを入れていれば安心ということはありません。
逃走防止には各ご家庭の対策が必要です。

マイクロチップは保険

台風や地震などの大きな災害が起こったとき、一緒に暮らすネコちゃんはどうしますか?

印西市では同行避難を推奨しています。
避難所でもペットと同居する同伴避難とは違います。
ペットは別のところに預けることになると思います。

東日本大震災をはじめ、各地で起こった地震や洪水の時にペットの一時預かりが立ち上がりましたが、急なことで首輪をしていない猫ちゃんも多くいました。

シェルターや避難所では、ケージにガムテープで名前を書いて個体識別を行うケースが多く見受けられます。

しかし、テープが取れてしまうこともあったり、ケージの場所が移動されていたりと、施設内で誰だかわからなってしまうことがありました。

自分の猫の世話をしようとしたら猫がいない、というケースがありました。

マイクロチップをしていても、取り違いを完全に防ぐことはできませんが、何かのタイミングでマイクロチップを読み取り、飼い主さんのもとに戻ってくる可能性があります。

毎年数件ではありますが、当院に迷子のワンちゃん・ネコちゃんの連絡があったり、捜索願が来ます。

その殆どは個体識別が写真のみであり、情報が乏しい。。。

猫に装着する首輪は強い力で外れるようになっています。

これは猫が高いところに登れたり、狭いところに入る性質があるためです。

足の届かないところで首輪が引っかかたりしたら、宙ぶらりんになってしまいます。
(1度見たことがあります)

このときに暴れて外れる首輪であれば最悪の事態は回避できます。

つまり、猫の首輪は外れること前提で作られているので、犬ほどの個体識別機能は無いと考えます。

最近は迷子札とスマホのアプリを連携させて、追跡が可能となる物もありますが、それも外れてしまえば意味がありません。

また、首輪や迷子札が外れた状態で、他の方が飼いはじめた場合、自分の家のネコだと証明することは出来ません。

現状、追跡機能はありませんが、個体識別して入手可能なもので一番確実なものはマイクロチップです。

マイクロチップという「保険」

もう一度考えてみてはいかがでしょうか。