泌尿器トラブル多い「膀胱炎」
字のごとく、「膀胱」の「炎・炎症」です。
膀胱に炎症が起こると、何度もトイレに行くようになります。
でも、おしっこは出ません。
膀胱の炎症による刺激で、尿が溜まっていると勘違いしたり、残尿感や痛みがあるためトイレに入ります。
トイレに入っても、膀胱には尿がないので、出ません。。。
いぬ と ねこ では膀胱炎の原因が異なります。多いものだと。。。
いぬの膀胱炎の原因
①細菌感染症(ペニスや外陰部からの細菌侵入による炎症)
②膀胱結石や砂粒
③無菌性の炎症
④腫瘍
ねこの膀胱炎の原因
①原因不明(特に若い猫、膀胱炎の原因がわからない、特発性膀胱炎ともいう)
②尿石症(石や砂、結晶が原因)
③細菌感染症(高齢のねこに多い印象)
これ以外にも原因はありますが、多くはこのような原因です。
<どんな検査が必要?>
とにかく、尿検査です。
当院では、超音波で膀胱を観察後、お腹に直接針を刺して尿を採取します(膀胱穿刺)
すこし可哀そうですが、メリットがたくさんあります。
無菌的に採取できるため、細菌や尿石症のチェックが可能です。
自然排尿だと、膀胱→尿道→ペニス・外陰部を通るため、最終的に出てきた尿に細菌を見つけても何処にいた細菌なのかわかりません。
膀胱を圧迫して尿を排泄させる方法もありますが、膀胱内にたまっている尿が、尿管の方に逆流することが知られています。
カテーテルを挿入して採尿する方法もありますが、ペニス・外陰部の細菌を膀胱に押し入れる可能性があります。
以上の理由から、当院ではよほどのことがない限りは「膀胱穿刺」で採尿を行います。
<治療は?>
原因によります。
抗生物質、消炎鎮痛薬などをその症状に合わせて使用します。
<トイレに何度も入るのは膀胱炎?>
以上の説明では、トイレに何度も入るのは膀胱炎という事になりますが、ちょっと違います。
膀胱結石などで尿道が詰まって尿が出ない状態でも、見た目は同じ症状です。
ペニスの先に石が詰まって尿が出ない。。。
膀胱にはパンパンに尿が溜まっています。
急いで解除(尿路を開通させる)しないと、命にかかわります。
以下のキーワードが多く当てはまる場合は、様子を見ないで、病院へ行きましょう。
オス猫(犬) 何度もトイレに入る(排尿姿勢をとる) 食欲がない
吐いている お腹を触ると嫌がる 痛そうに鳴く
夜間に上記のような症状が現れたら、夜間救急を受診すると良いと思います。
ひがし東京夜間救急動物医療センター
夜8時から深夜3時まで【電話受付は夜7時30分より】
東京都江東区亀戸9丁目23-12 シティポート亀戸1F