診察中などによくあるご質問を集めてみました
皆さんの『?』に、院長がお答えします!!( ー`дー´)キリッ
- Q,狂犬病の注射って受けさせないといけないの?
A,残念ながら、犬を飼育する上で義務となっています。
狂犬病予防法という法律の中で規定されています。
狂犬病が発生していない現在もこの法律は有効です。
*狂犬病予防法の所管は『厚生労働省』です。
本来動物のことは、農林水産省ですが、狂犬病予防法は厚生労働省です。
狂犬病で人が亡くなっていた時期に制定された法律です。
人を守るために犬に予防注射をする、という法律です。
海外では犬の他に猫に規定している国も多く、日本でもそのうち猫にも適応されるかもしれませんね。
- Q,周りもやってないし、狂犬病は日本にないのでやらなくても大丈夫ですよね?
A,申し訳ありません。
「飼い主さんの義務ですので、注射を受けさせてください」とお願いするしかありません。
我々獣医師は、国家資格を持って業務を行っています。
国家資格を持っている専門家が、法律を守らなくても良いですよとは言えません。。。。
また、狂犬病予防法には接種させない飼い主への罰則(罰金)も規定されています
- Q,狂犬病注射っていつ受けるの?
A.基本的には4月1日から6月30日の間に1回受けさせます
ただし、3月2日以降に注射を打っている場合は、翌年度として扱われます
- 集合注射と病院の注射って何が違うの?
A,注射自体(薬剤など)は全く同じものです。
その他の違いは、下記のとおりです。あくまで印西市をモデルにしています。
- 集合注射の場所などはどうやって決まるの?
厚生労働省から各都道府県知事に、”知事の責任において狂犬病注射を接種させなさい”と通達が出ています。
(昭和28年5月 厚生事務次官通知より)
そのため、集合注射については各自治体の判断の元、会場が決定されます。
またその通知の中で、集合注射業務は開業獣医師が行うように、とあります。
なので、集合注射がある時期は、各病院が臨時休診などをして参加をしているわけです。
これ以降、この事に関しての通達出ていないため、昭和28年の通達を現在も踏襲しているということです。
- Q,年に1回でいいの?
A,「年に1回」ではなく、「年度に1回」と考えていただければわかりやすです。
狂犬病予防法という法律の運用上、年度で区切っています
なので、中途半端な4月スタートなんです
1回目が何月であっても、翌年度からは4月から6月の接種となります
*ここ数年は、新型コロナウイルス感染症蔓延防止により、法律の一部が時限付(1年)で緩和されています。
4−6月の接種が、年内いっぱいまでOKとなっています。
2月に同様に法律の一部改正があり、2022年度も12月までの接種延長が決定されました
厚生労働省狂犬病予防法施行規則の一部を改正する省令の施行
- Q,子犬のときの狂犬病注射は?
A,法律上は生後91日以降の犬を所有して30日以内に予防接種を受けさせる必要があります。
予防注射をしているかどうか不明な場合も、30日以内に予防接種を受けさせる必要があります。
- Q,証明書はありますか?
A,混合ワクチンと同様の証明書はありません。
動物病院で発行される「狂犬病注射済証」というのは、獣医師が各自治体に対して注射したことをしたことを通知するもので、いわゆる「証明書」ではありません。
飼い主さんは、この注射済証を自治体に提出し、注射済票を受け取り、ワンちゃんに首輪などに装着するまでが、法律で規定されています。
*鑑札・済票はアルミ刻印または印刷で、首輪につけておくとすぐに読めなくなってしまいます。
法律上は鑑札や済票をつけるとなっていますが、首輪の裏にマジックで書く・迷子札を使うなどをすると良いと思います
動物病院で発行される「狂犬病注射済証」は登録に必要なパーツなので、本来それ単体では意味をなしません。
しかし近年では、ドッグランやペットホテルなどで、狂犬病予防注射の接種を確認することが増えています。
そういった所では、済票を見てもわからない(しらない)人も多く、済証が証明書のように扱われています。
これは本来の姿ではありませんが、法律が今の実情に合っていないとも考えられますので、
立法府での法律の変更等を検討していただきたいと思います。。。
- Q,猶予証明書ってあるんですか?
A,残念ですが法律にはその規定はありません。
調子が悪い犬も接種の対象です。
しかし、注射ができない状態のワンちゃんがいるのは確かです。
そこで、平成8年に厚生労働省監修のもと、日本獣医師会がガイドラインを作成しました。
そのなかで、注射不適応の状態が記載されています
1,咬傷事故を起こした犬
2,重篤な疾患に罹患している場合
この『重篤』というのは、死に関わる病態とをいます
重篤な心不全、急性増悪期の腎不全、以前アナフィラキシーを起こした犬
このような場合、狂犬病の注射を待ってもらう・猶予してもらうための証明書を発行することがあります。
猶予証明というのは、注射ができるようになるまで時間の猶予を届け出るものです。
注射をしなくても良いわけではありません。
- Q,当日注射できない犬は?
以下の場合は、注射の可否を注意深く判断することとあります。
1,あきらかな発熱
2,慢性心疾患(慢性弁膜症や心筋症、フィラリア症など)
3,腎疾患
4,血液疾患および栄養障害などのある犬
5,以前の予防注射でアレルギー反応がでた犬
6,過去に痙攣を起こしたことがある犬
7,妊娠中の犬
8,過度の興奮状態の犬
以上は、注意深い判断が必要なので、基本的に集合注射会場での接種ができませんのでご注意ください。
また、投薬を行っている場合も集合注射会場での接種ができませんのでご注意ください
- Q,マイクロチップの関連性は?
A,いまはまだ準備段階ですが、「マイクロチップを狂犬病の鑑札とみなす」という法律は令和4年6月から施行されます。
近い将来、鑑札などはなくなることが予想されます。
ほかにも色々ありますが、まずはここまで。。。。