目が白い = 白内障 = 老化
と考えていませんか?
「目が白い」といっても、目のどこが白いかで、ずいぶん違います。
今回はとりあえず、水晶体の変化、特に核硬化症と白内障について。
水晶体というのは、角膜の奥 ↓
簡単に言うと、老化で特に問題ないのが核硬化症 病気で治療対象になるのが白内障です
核硬化症は、字のごとく、水晶体の核(中心部分)が硬くなる事
水晶体の中心部分の核が、加齢に伴い固くなり、白く見えるようになります
これは加齢によるものなので、病気ではありませんし、視力等に影響はないと言われています
白内障は、年齢とともにでてくる老年性白内障
水晶体内の代謝トラブルなどで水晶体内にタンパクやコレステロールの沈着をおこして白くなる代謝性白内障
代謝性のものには糖尿病性白内障というのもありますね
先天性白内障は、6歳までに出てくる白内障です
いずれの原因にしても、白内障は病気であり、進行します
白内障は進行具合により、初発・未熟・成熟・過熟白内障に別れます
初発白内障は、水晶体の濁りが全体の10%未満のもの
未熟白内障は、水晶体の濁りが全体の10%以上のもの
成熟白内障は、水晶体全体が白く濁っているもの
過熟白内障は、成熟白内障がより進行したもの
白内障の治療(病気を治す)は、外科手術のみです。
たまに、治療として点眼をご希望されることがありますが、白内障は点眼で「治癒」することはありません。
点眼で出来ることは、「進行を遅らせる」ことです
白内障の点眼薬として一般的に使用されるピレノキシン点眼ですが、これは治療ではなく進行抑制です
もう一つ、気をつけたいことがあります
これは、犬用の白内障用点眼薬の添付文書です
商品名「ライトクリーン」の上、「イヌ老年性初発白内障進行防止剤」とあります
【効能又は効果】にも、イヌ老年性初発白内障、とあります
この薬は、初発白内障の進行を抑制することを目的としています。
飼い主さんが「目が白い」と自覚され、それが白内障の場合、成熟白内障であることがあります。
成熟白内障からこの点眼をしても、効果はゼロとは言いませんが、進行抑制はあまり期待できません。
では、水晶体全体が白くなった白内障には、手術しかないのか。。。
「白内障の治療」としては、手術だけですが、その他にもやり方はあります。
最近、目が白いなぁ、ということがあれば、病院でご相談ください