コラムColumn

保護した猫の伝染病検査

猫を保護したり譲り受けた際に、猫エイズや猫白血病ウイルス検査についての相談をされる方が多くいらっしゃいます。
この2つの病気は血液検査で簡易検査を行うことができます。

伝染病検査に共通する注意点。
それは、伝染病には潜伏期があり、検査でわからない期間が存在します

猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ・FIV)
検査でわかるのは、直近の接触から約2か月後です。
保護直後に検査を行って得た結果、
陰性であれば60日後に再検査の必要があります。
陽性であれば、感染していると考えます。
<例外>
6カ月未満の子猫の場合は、母猫からのウイルス抗体が反応している可能性があるため、60日後・6カ月齢以降の再検査が推奨されます。
<どうすると感染する?>
交尾やケンカの際の咬傷により感染
<予防方法は?>
野外で他の猫との接触・ケンカが原因ですから、完全室内飼育であれば感染リスクはありません。
また、ワクチンも開発されています。
注意;このワクチンを打つと、ワクチンウイルスに対する抗体ができるため、通常行われるエイズ抗体検査が陽性となります。つまり、野外で感染したのか?ワクチン抗体ができたのか?がわからなくなります。
また、エイズウイルスのワクチンは不活化ワクチンであり、毎年接種が必要となります。

猫白血病ウイルス感染症(FeLV)
検査でわかるのは、直近の接触から約1か月後です。
保護直後に検査を行って得た結果、
陰性であれば、1か月後に再検査。
陽性であっても、1か月後に再検査
結果が陽性でも、再検査で陰性になることがあります。
何度か検査をして陽性であれば、感染が確定的になります。
リンパ腫や白血病等の症状があり陽性が出た場合は、1度のみの検査で診断する場合もあります。
<どうすると感染する?>
なめる、じゃれる、けんかをするといった接触、食器の共用でも感染することがあります。
<予防方法は?>
感染猫と接触しない完全室内飼育であれば感染リスクはありません。
また、一般的な5種混合ワクチンに白血病ウイルスが含まれていますので予防も可能です。

保護直後の検査は確実な検査ではありません。
もし陰性であったとしても、再検査が推奨されています。

+αの情報。

FIV、FeLVの検査、実は見ているものが違います。
FIV検査は抗体検査。なので少し時間が必要。
FeLV検査は抗原検査 。ウイルスを検出する検査。
なので、仮に1度目の検査でウイルスがいても、その後自己免疫やワクチン免疫でウイルスの排除に成功すると、検査で陰性になることがあります。