子猫を飼い始めた飼い主さんからよく質問を受けます。
このくらいやっておけば良いんじゃないなぁなという範囲をまとめておきます。
まずはネコちゃんの予防一覧
①混合ワクチン
②ノミ・マダニの駆除
③お腹の虫くだし
④フィラリア症予防
⑤マイクロチップ
⑥体重管理
⑦健康診断
この中で、今回は混合ワクチンについて。
まずはワクチンの種類です。
コアワクチン(すべてのネコに推奨)
①猫汎白血球減少症ウイルス(猫パルボ)
②猫ヘルペスウイルス(伝染性鼻気管炎)
③猫カリシウイルス
ノンコア(必要な猫にだけ推奨)
④クラミジア
⑤猫白血病ウイルス
⑥猫免疫不全ウイルス
その他
〇狂犬病(流行地域のみ)
表にするとこんな感じです
2020/10/27追記:白血病ウイルスのワクチン「リュウコゲン」が終売となるようです。
3種と5種の打ち分けについて。
基本的には3種混合ワクチンでOK
では、どういったときに5種を選択するべきか?
→多頭飼育をしていて、その中に白血病ウイルス陽性の猫がいる場合
→(推奨できませんが)家の外に出る猫
免疫不全ウイルス(猫エイズ)の予防は必要?
当院では、免疫不全ウイルスのワクチンについては、ワクチン接種での抗体上昇と野外感染での抗体上昇の区別がつかないため、現在取り扱っておりません。
猫免疫不全ウイルス・白血病ウイルスについてはコチラ。
https://www.otake-ah.com/column/2020/11/06/277
猫のワクチン接種間隔は?
以下の条件であればWASAVAガイドラインを参考に3年に一度で良いと考えています。
・1頭を完全室内飼育
・ペットホテルの利用はしない(災害時も含めて)
・ご家族の方が、家以外で猫に触れない(〇〇カフェ・ペットショップに行かない)
・子猫の時に猫伝染性鼻気管炎やカリシウイルス感染症の兆候がなかった。
逆に、ペットホテルの利用の可能性が少しでもあればワクチン接種をしておいた方が無難だと考えています。
また、猫風邪については、ワクチンにより症状緩和が期待できるので、小さいころに猫風邪症状があった猫は毎年接種でも良いと思います。
猫にも抗体検査は必要?
当院では、 コアワクチンの3種についての 猫の抗体検査はあまり推奨していません。
猫汎白血球減少症;発症防御
ヘルペスとカリシ;症状緩和など
3つのうち2つが症状緩和が目的なので、犬ほど抗体検査のメリットが得られないと考えています。
参照: https://www.koutaika-kensa.info/cat/manga_a.html
おまけ。
猫のワクチン、同じ3種混合ワクチンでも、じつは2種類あります。
不活化ワクチンと生ワクチン。
不活化ワクチンは生ワクチンに比較すると、生きたウイルスを接種しないため安全性が高い一方、獲得できる免疫力が低いという特徴があります。それを補うため不活化ワクチンにはアジュバント(免疫補助剤)が入っています。
猫はこのアジュバントとの相性が悪く副反応が出やすいと言われています。
当院ではアジュバントが入っていない3種・5種ワクチンを使用しています。
☆5種混合ワクチンは、性質上不活化ワクチンとなりますが、5種混合ワクチンでもアジュバントが入っていないものがあります。