近年ペットの寿命は確実に伸びています。
これは生活環境が良くなり、良質な食事をとるようになったことに加え、人と同じように予防医療が発達したこと、様々な病気を診断・治療できるようになってきたことが大きく関係しています。
しかし、病気が見つかった時には進行してしまっていて、完治に時間がかかったり、完治できず一生管理が必要となる症例も多くみられます。人と同様、動物も健康診断を行い早期発見・早期治療することが基本です。
人では学校や会社、自治体などで1年~数年に一度健康診断を受けている方が多いと思います。その健康診断の結果により、生活習慣の改善を促されたり、自覚症状がない病気の発見につながったりしています。
動物病院では「うちの犬・猫は元気だし、食欲もあるから健康診断は必要ですか?」とご相談を受けることがあります。確かに元気で食欲もある子に多少イヤな思いをさせて健康診断することをためらわれることもよくわかります。
しかし、動物の場合は会話ができません。「ここがおかしい」と訴えることもできませんし、状態が悪いことを隠すような子もいますので、外見から体の不調を発見しにくいのです。
元気で食欲もあり、自覚症状もない人でも定期的な健康診断を行い、改善すべきところが見つかることを考えれば、人以上に動物の健康診断がとても大切であると日々感じています。
家族の一員であるわんちゃんねこちゃんに出来るだけ元気で長生きして欲しいというのは誰もが願うことです。
長生きするだけでなく健康寿命をできるだけ伸ばし、楽しく一緒に長い時間を過ごしたいものです。そのためには6歳までは年に1度、7歳以上は年に2度の健康診断を受けましょう。当院では健康診断の結果に加えて、生活習慣や食事の考え方も含め、より総合的に動物の健康を考えるお手伝いができればと考えています。