健康診断の目的は2つあります。
①病気を早期発見し、未然に防ぐ、または、小さい芽のうちにつんでおく。
一般的にイメージされている目的です。
病気が増えていく中高齢をターゲットに行われているものです。
2018年に行った健康診断(血液検査)では、7歳以下の43%に異常値がみつかり、8歳以上ではそれが71%に増加しています。このなかには健康診断をきっかけに、病気が初期段階で発見され、進行を遅らせる治療を行っている子もいらっしゃいます。これだけでも健康診断を行う理由になると考えています。
ペットが中高齢(7歳以上)になったら年2回の健康診断を推奨します。
②病気の早期発見のため個別基準を作っておく
あまり、聞きなれない言葉ですが、実はとても大切です。
健康診断で多く行われている血液検査ですが、その検査結果は、何と比較されているのでしょうか?
それは、「参考値」といわれるもので、「正常値」ではありません。
「参考値」とは、元気そうに見える動物を一定数集めて血液検査を実施し、そこで得られた検査結果の平均です。ですから、その範囲に入っているから健康というわけでも、基準値を超えたらから病気、というものではありません。あくまでも、健康そうに見える他の子と比べるための基準です。
では、「参考値」ではなく「正常値」を作ることはできないのでしょうか?
もし、病気の可能性が少ない5歳以下で行った血液検査が複数回あれば、それはその個体の「正常値」に限りなく近くなるはずです。若い元気な時の健康診断は、健康かどうか?ではなく、その子の基準値・正常値を蓄積し、将来に備えるために行います。
若い時から健康診断を行い(個別基準をつくり)、それを基に健康診断を実施できれば、より早期に病気を発見し、対処することが可能になります。